久留米大学医学部同窓会
会 長 横倉 義武
昭44卒(医学部14回生)
暑中お見舞い申し上げます。
今年は年頭に能登半島沖地震が発生し、自然災害の生活への影響の大きさを再認識した年のはじめになりました。久留米大学も昭和28(1953)年の大水害で大学の存亡の危機を経験していますが、近年地球温暖化の影響でしょうが、毎年のように水害の被害が起きています。日頃からの対策が求められ、医療においては、医療機能の継続を地域で維持していく事が重要となります。災害発災後の医療支援には国や医師会でDMATやJMATが組織され災害地の支援を行っていますが、同窓の皆様にも災害支援チームに参加され被災地の人々に感謝されています。
さて、同窓会は4月20日(土)に開催された代議員会・総会を皮切りに、新しい年度がスタートしました。私も会長として2年目を迎えましたが、昨年は各地の同窓生の皆様とできるだけ交流できるように、各支部総会に出席をさせていただきました。各地の同窓会の皆様に歓待いただきました事に御礼を申し上げます。各地の支部の状況をお聞きすると、卒業年次の若い世代の参加を望む声が聞かれます。同窓会活動は支部の活動と各クラスの活動が縦糸と横糸の関係となり強固な同窓会組織になりますので、若い年次のクラス会の活性化に努めたいものです。先日、平成11(1999)年卒業のクラス会の案内をいただき参加しましたが、クラスの団結の強さと卒業25周年という節目の会の開催の素晴らしさを実感しました。各学年でも卒業10年や20年の節目の年には開催して欲しいものです。
5月12日(日)に石竹達也医学部長(昭61卒)の発案により、卒業50〜55年を迎えた医学部14〜18回生を主な対象として、久留米大学医学部医学科の卒業50年歓迎・祝賀会が開催されました。式典では永田見生理事長(昭48卒)の挨拶の後、各学年の代表に医師としての50年にわたる活動への感謝状が贈られ、その後、野北英樹(昭44卒)、青柳成明(昭45卒)、弘岡泰正(昭46卒)、宮﨑千惠(昭47卒)、進藤静生(昭48卒)各先生から、学生時代の思い出がユニークに語られました。その後、現役学生の留学体験や同窓の放射線科角明子講師(平15卒)、免疫学溝口恵美子教授(平2卒)の研究等の講演、石竹医学部長の医学教育の話があり、その後学内の見学が行われました。研究や診療設備の整備は素晴らしく充実しており、今後の久留米大学医学部の発展が大いに期待されるものであります。4年後に次の開催が予定され、卒業後50年前後の多くの同窓生の参加が期待されています。
私共が学生時代には同窓の教授は数人しかいらっしゃいませんでしたが、現在、学内同窓教授は45名にのぼり、学部学生や大学院学生等の教育・研究・診療に励んでいただいていることは、大変嬉しい事です。また、平成元年以降の卒業生で12名の同窓生が他大学の教授に就任し、医学教育・研究に励んでいただいています。他大学での教授職には自大学と違ったご苦労も多いかと思います。岩手医科大学産婦人科教室の主任教授をお務めになった杉山徹先生(昭53卒)が自伝的ノンフィクション小説「聳える防潮堤」を出版されていますが、慣れない風土の中で教育や研究は勿論の事、地域医療への大きな貢献を苦労しながら作り上げられた事が窺い知る事ができました。各地で活躍している同窓生に大きな希望を与えてくれる書でした。
令和6年7月25日